「管理者になるのは罰ゲーム」
そう言われるほど、管理者や上司になることはつらいものです。
理由は、昨今「パワハラ」「セクハラ」などのハラスメントが多く話題に上がり、誰もが
「自分がパワハラする方にはなりたくない」
と考えているからです。
しかしサボる人を放置していると、頑張ってやっている人も
「サボっていても注意されないならサボったほうが得」
と思い始め、全員がサボってしまいます。
そうなる前に対処しなければいけません。注意するというのは誰かがやらねばいけない仕事です。
特に、外出する配送ドライバー、外出する営業マン、など外に出る仕事で「サボり」問題が多く発生するようです。
この記事では、10年以上管理者をしていて、多くの企業さんからこういった問題を相談されてきた筆者が、管理者さんの立場でなるべくストレスを感じずに注意をできる方法をご案内します。
速やかに、重くなく伝える
「○○さんのトラックを、昨日の夕方パチンコ屋の駐車場で見ましたよ。」
こんな風にサボりの情報が入ってくることがあります。そうしたら、サボりの情報が入ってきたタイミングで、なるべく間をおかず確認します。
なぜ早めのほうがよいかというと、その方が注意される方も記憶があるからです。
よくあるのが、注意することにためらって、どう注意すればよいのか考えているうちに2週間ぐらいが経過してしまう、または注意するタイミングを慎重に見計らいすぎて、2週間後とか1か月後だとかにしてしまうことです。
しかし、あまり間を置くと注意された側は全くサボったことを覚えておらず、
「やってもないことで注意された。」
などととらえられる可能性があります。
また、1か月もため込んだりすると、注意される側は逆に重く感じてしまいます。1週間以内には話をするのがよいでしょう。
感情的ではなく、冷静に話す
1回目であれば、まず事実確認から入るのがよいでしょう。ほかの人に聞こえない場所で、二人きりで話すことをオススメします。
「〇〇さんのトラックを昨日の夕方パチンコ屋で見かけた、という話を聞いたんだけど、そうかな?」
などと聞きましょう。
いきなり
「○○さんのトラックを昨日の夕方パチンコ屋で見かけた、という話を聞きましたよ!何をサボっていたんですか!!」
などとサボりを決めつけるような話しかたをすると、相手も感情的になり、言い合いになって、将来にしこりを残すことになります。
もしかしたら、
「腹痛があったのでトイレを借りた。」
「お客さんから急に電話がかかってきたが、車を止めるところがなかった。」
などの事情があるかもしれません。
位置情報つきで行動を記録する
日報などの記録が自己申告だったり、そもそも日報すらない場合は、まず行動の記録を取るようにしましょう。
記録があれば、あいまいな情報由来ではなく、まず事実確認から入れるので管理者さんの気持ちがずっと楽です。
GPSなどの位置情報が取れるシステムなどを利用して、何時何分にどこにいたかを確認し、怪しいと思われる情報をピックアップします。
そのデータをスクリーンショットや印刷などでそのドライバーさんに見せながら「昨日の夕方パチンコ屋の駐車場で○○さんのトラックを見かけたと聞きました。記録を見ると、確かに14:10–16:40にこのあたりで停車していますがどうしたんですか?」
などと話しましょう。
例えば上記のような場合に、
「腹痛があったのでトイレに行っていました。」
と相手が答えたとしても、
「2時間半もその場所にいるのはおかしいですね。連絡ぐらいくれてもよかったのでは?」
という話ができます。
そして、その時にそんなに問い詰めなくても
「このように記録が残って問いただされるんだ。」
と思われ、サボりの回数を減らす効果があります。
録音する
「録音?管理者は録音される方では?」
いえ、録音は、管理者さんが積極的に使っていきましょう。人間は主観的な生き物です。
「あの人に、パワハラみたいなこと言われたんです。」
と後で言われたとしても、証拠がなければ管理者さんの立場が弱くなってしまいます。記憶のみに頼ると、言った言わないの水掛け論になってしまいます。
また、相手があまりにおかしなことを言ってきて、あなたが思わず感情的になって強く言い返したところ、その部分を切り取られて「パワハラ」と言われるという事態も防ぐことができます。
そのため、むしろ、管理者さんの方が録音を利用しましょう。
一点注意ですが、録音には相手の同意があったほうがよいので、
「録音してよいですか?」
と事前に同意を取ってから始めましょう。
録音をしておくと、自分でも平静を保って話ができるという効果もあります。
そもそも注意しなくてよい体制を作る
「そんなことができれば、苦労しないよ…。真面目な人ばっかりだったらいいんだけどな。」
と思われると思います。
しかし、人の価値観は様々です。何が真面目で何が不真面目なのかは個人の価値観やモラル、それまでの人生経験によってかなり変動があります。
筆者は前職では営業をしていました。そこで中途入社した営業マンでBさんという人がいたのですが
「お客さんのところへ行くので直行直帰します。」
と言って毎日出社もせず、そんな状態がなんと半年も続いたことがあります。その商談も架空のものでした。もちろん成果もありません。
さすがに最後は会社から退職勧奨をしてBさんは辞めましたが、その半年の間、他の営業職の社員はみなイライラしていました。
飲みに行くと
「Bさんは家で遊んでいるのに、Bさんの給料を稼ぐために我々が毎日汗水たらして長い時間働いている。」
「Bさんは中途入社だから給料が私たちよりも高いと豪語していた。」
などの話が出たものです。また、Bさんの真似をして「直行直帰」をして、成果も何もない営業マンも多く出るようになりました。
今思うと、会社側の体制にも問題があって、まったく報告の体制が整っていなかったのです。商談の会社名を言えばよいだけで、どこに、いつ、何時に行くのか、誰と会ってどんな商談をしたのかさえ報告されていませんでした。
利益を出し続ける会社として有名なキーエンスさんでは、営業職員さんに分単位で日報を書かせるそうです。それは、「ルールを守らせるためのルール」だそうです。
「分単位の日報なんて、書いてる時間がもったいないよ。」
と思われるかもしれません。
そうであれば、自動的に日報ができるシステムをお勧めします。システムであれば、分単位どころか秒単位で日報を作ることができます。
また、できれば位置情報付きのものがよいでしょう。
位置情報付きの日報を作ることで、多くの会社さんが「注意しなくてよくなった」
と言われています。
注意しなくてよくなった事例
株式会社SKLさん
お酒の配送を行う株式会社SKLさんでは、管理側はドライバーが出発してからはどう配送しているかが分からな
かったそうです。夕方にドライバーが帰ってきても、それが妥当な時間か評価できませんでした。また、噂レベルで「だれだれさんがどこかで休んでた」などの声もありました。同じルートを回っているはずなのにドライバーによっては4時間くらいの差がある、ということもありました。その理由もわかりませんでした。
しかし、スマホアプリで位置情報を記録するシステムを導入してからは帰り時間がおかしいドライバーがいなくなったそうです。
また、全ドライバーの位置情報を表示したモニターを社長の後ろに置いているそうです。ドライバーさんは「見られている」ということをイヤでも意識します。
○○ハラスメントを気にしなければいけない時代ということで、管理者さん側も苦しい思いをしていましたが、こういうシステムを導入することで何も言わなくてもサボりの抑制が出来、楽になったということです。

株式会社エコプランニングさん
また、廃棄物収集の株式会社エコプランニングさんでも、誰がいつどこにいたのかという位置情報が記録できるシステムを導入してからは、ドライバーさんがサボることなく事務所に早く帰って来るようになったそうです。
サボっている状況も分かるようになったので、該当ドライバーに指摘して、改善できるようになったそうです。システムを導入した後は、手を抜いているドライバーはいないそうです。
つまり、注意しなくてよい体制とは実現が可能なのです。
そのためにどんな日報を作ればよいのか、は「サボりを指摘するときに『有効すぎる』日報 この8機能が使える」も併せてご覧ください。
如何でしょうか?
前述した、お酒の配送を行う株式会社SKLさん、株式会社エコプランニングさんで導入されたシステムは、「ODIN リアルタイム配送システム」というシステムです。
スマホアプリで位置情報を記録し、自動的に日報を作ります。
ODIN リアルタイム配送システムの中の「ODIN 動態管理」という一番基本的なプランであれば、1台月額1,500円、と導入しやすい値段になっています。
無料お試し2週間がついていますので、まずは試してみることから始められます。返金保証もついていますので、もし効果が出なかった場合は、返金制度もあります。